私には弟がいる
大好きな大好きな弟
飄々としていて優しくて
家族を大切にし
ちょっと面倒くさがりだけど
一生懸命仕事をする
弟はものすごく責任の重い仕事に就いていて
毎日日付が変わるまで働いて
早朝から再び出かけ
土日も休めず平日と同じように働き
気力を頼りに頑張っていた
大学まで続けた野球で培った精神力で
来る日も来る日も働き続けた
日曜日、どうやって働いていたのか覚えていないみたいだ
色々なところから名前を呼ばれても
何処から呼ばれているのか分からなくなったらしい
月曜日の朝、起き上がれなくて
はじめて仕事を休んだ
次の日も同じように
そして昨日、生まれてはじめて訪れた心療内科でついにDr.ストップがかかった
帰り道、母に電話をかけてきた弟は
子どものように泣いたらしい
立ち止まれてよかった
立ち止まるべきだった
誰も代わりにはなれない命、
どんなに鍛え上げた肉体と精神があっても
人の心根はとても柔らかい
とにかく眠って、休んでほしい
この事を、私は昨日の夜好きな人に話した
話しながら思いが溢れて泣けてきた
止まるまで泣いてええんやで、
急かしたりせんから
と言って待ってくれた
みんなの命もひとつだけ
元気じゃない時もある、
元気なんかになれない時もある
それでもゆっくり何かを取り戻せますように
