その試合は、仕事だったから見に行けなかった 正直なところ仕事なんか放ってしまって 全校応援にしてほしかった 結局至るところで授業を取り止めて 大型スクリーンで応援するスタイルに切り替えはじめた シーンとしている事務室で 野球の行方を気にしている…

寮の泊まりがあるけん、終わったらすぐに行くね あの子たちにはそう言っていた 大事な初戦 本当はまるごと見たかった 終業式の日で、購買は閉鎖する 上司に呼ばれて言われた 私が生徒たちに甘いから、指導できないから 購買を稼働させる意味がないので閉鎖す…

甲子園にみんなで行って ベンチメンバーであってもそうでなくても ずっと前から亀の歩みで折ってきた千羽鶴 大会前に完成した 野球ボールの下には 母が小さなゴールドの鈴をつけてくれた 3年生全員の名前と誕生日が刻まれたバッジは 私からの贈り物 ずっと前…

毎日、生徒たちと話して 夜になると、誰からともなくmessageが届く 手紙や、メモも手渡してくれる 卒業アルバム用の個人写真を撮った、と言って どのポーズがいい?と 出来上がった写真をくれる その写真を入れるアルバムを買った ある日、休み時間に話をしに…

あれから、生徒たちは 手紙を書いてくれたり 休み時間ごとに声をかけに来てくれたり 手紙には いつも笑顔のicoちゃんが私たちの目の前で 怒られてるのを見て悲しくなった どうして私たちの自由な場所と時間を奪うの 1日のうちのほんの少し みんな、この時間…