毎日、生徒たちと話して
夜になると、誰からともなくmessageが届く
手紙や、メモも手渡してくれる
卒業アルバム用の個人写真を撮った、と言って
どのポーズがいい?と
出来上がった写真をくれる
その写真を入れるアルバムを買った
ある日、休み時間に話をしに来てくれて
5,6人で話していた
何か言われてへんか?大丈夫か?
ひとりやないから、
俺らがおるから大丈夫やで
俺らがなんかゆうたら
やっぱりicoちゃんもっと上から言われる?
でも、このままやったら
納得できへん
誰得なん、こんな状況
ほんまに悔しいだけやん
笑顔で話しているけど、
心の中は嬉し涙の雨だ
チャイム鳴るよ、教室上がり、
と言ったところでチャイムが鳴った
その中のある野球部のピッチャーの子が
廊下を走りながら振り向いて
私に向かって大きな声で叫んだ
icoちゃん!
やめんとってな!
絶対!
毎日、昼休みになって
結局、みんなやってきてくれる
入ったらあかんっていう理由を
icoちゃんに色々言ってくるやつが
俺らに説明しいひん限りは
絶対この状況は変えへん
この子たちの言うこと、すごくよく分かる
仲のいい先生が、数人
言葉をかけてくれる
ただ、最近
事務室で電話を取るとき
声が出にくい場面が増え
朝はご飯が喉を通らず
この学校に来て2年半、夜は
2時間以上連続で眠れたことがない
お腹の調子もよくない
仕事中、ぐっと涙が込み上げる
仕事中の記憶が飛ぶこともたまにある
静かな事務室の中
自然の風も入らず空調の音だけで過ごしていると
呼吸がしづらくなってくる
そんな中で電話が鳴ると
不安で指先がじんと痺れる
そんな中で
あの子たちがくれる日々のmessageに
心が洗われる
去っていく子もいる
踏みとどまる子もいる
みんなみんな
ここに来れば笑える
icoちゃんになら本音言えるねん
と言ってくれる
年齢ちゃうけど
思い悩むことがあるのは同じ
それをicoちゃんと俺らが毎日交換しあって
分かりあって
励まし合える場所
ここはそういう場所なんやって
ほとんどの先生は、分かってない
ある夜、messageをくれた2年生の男の子
icoさんの笑顔を私たちが守りたい
3年生の女の子
寝れへん時に読むねん
そしたらハートなんべんも押したくなるねん
俺らずっとicoちゃんについていく
2年生の男の子
俺らicoに会いにいってるんやで
学校も購買も
みんな救われてる、助けられてる、
名前呼ばれるのが嬉しいんやで
icoはこの学校の看板娘やで
3年生の男の子
icoさん堂々としとってや
なんも悪ないんやから
色つきのきれいな服これからも毎日着てや
そんできれいなリップもやめたらあかん
黒い服は似合わへんから絶対着んといて
3年生の女の子
みんなicoちゃんのこと大好きやで
やから会いに行くんやで
こんなに愛されてるんやで
2年生の男の子
わたしは、涙