ラ ム レ ー ズ ン

前 だ け 向 い て ろ 

長野旅 前編

ひと月が経ってしまったけれど、先月出掛けた長野の旅のこと、忘れずに書いておきたい

飛行機に乗って羽田に降り立ち

人でごった返す東京駅を足早に通過し乗り込んだ新幹線で

いざ妹が暮らす長野へと向かう

途中から牧歌的な光景が広がりはじめ

携帯も置いてずっと流れゆく景色を見ていた

新幹線は程よく空いていて

平日に出発してよかったと思った

 

降りるとき、後ろから肩を叩かれ振り向くと

隣に座っていた20代くらいの男性が

私の赤いマフラーを手にしてくれていた

ありがとうございます、と笑ってお礼を伝えて

最寄り駅に降り立った

寒いけれど、私の暮らす地域の寒さとは違ってからっとしている

長野に来るのは約3年ぶり

 

妹が、おねえー!と走ってきてくれた

駅の駐車場に停めてある見慣れた愛車は

まだ私たち故郷のナンバーのまま

中では可愛い甥っ子が眠っている

妹が連れて行ってくれたお店、私たち姉妹の好き!が詰まった開放的な空間だった

換気だ、なんだの心配もなく常に外の空気が吸える

お店の方も優しくて

遠くから来たことを告げるとすごく喜んでくださった

お店の方とは必ずお話したいと思うからこういうやり取りはとても嬉しい

vegan対応のメニューで、私は豆乳のピリ辛うどんをいただいた

野菜もたくさん入っていて

信州の冬を身体いっぱいに取り込んだ

ストーブが焚かれているから暖かい

恋の話なんてしたり、長野の暮らしや妹の日常なんかを聞きながら

すぐそこの軽井沢へあっという間に到着

10年以上憧れていたペイネ美術館に行ける日がやって来た

ずっと好きだったペイネ

まさか、妹がすぐ近くに暮らすことになるなんて思ってもいなかった

この、ペイネ美術館のあるタリアセンが素晴らしくて

ここで私たち3人は何時間も過ごした

 

思い出のマーニーが大好きな私にとっては

デジャヴュのように感じる景色で

色々な角度から写真を撮っては、忘れたくないと願った

鴨と鯉にごはんを与えることが出来ると知って

売店で100円で買い求めて甥っ子に手渡した

すごい形相で寄ってくる大群に言葉を失っていた1歳半の甥っ子も

私たちが声をかけ続けるとどうやら同じ生命体だと分かってくれたようで(?)

最後には袋からどさっと大盤振る舞いするほどに

適応力を発揮していた

結局、2袋買ってごはんの時間を楽しんだ

大切にされていることが分かる鯉たちと鴨たちで

どうぶつが好きな私たちは安心できた

 

日が傾いてくるのも早い

みんな大好きツルヤで買い物をして帰ろうとなり

タリアセンを後にした

帰り際、この景色を目にした時に

見せたいと心に浮かんだのがあのひとだった

この時に、自分の心の居住者が変わったことを

確信した気がする

 

この光景は、最も私が思い出のマーニーを感じて

ずっとここにいたいと思って撮ったもの

また見返したい

軽井沢ツルヤの品揃えと店員さんの気配りは素晴らしく

私たちはアイスを車内で食べながら

夕焼け小焼けの長野の山並みに魅せられ家に帰った

夜は、妹が私の大好物のカレーを作ってくれた

ひさしぶりにガールズトークが止まらない

はんてんを着て、寒さ対策

妹の住む古民家も、私はひと目で気に入った

ペイネの世界、堪能した

想いは胸の中にしまう

 

長野とりっぷ中編は、またのちほど