ラ ム レ ー ズ ン

前 だ け 向 い て ろ 

フラット

高校生と日々過ごしていると

時に、えっと驚かされることがある

 

いい方向のこともあれば

その逆のこともある

 

2年生になったばかりのある彼女とは

入学直後から毎日のようによく話す仲で

涙する時も嬉しい時も

隣でいつも話を聞いてきた

まだ、たったの1年という短さだけど

私にとって彼女はとても可愛い存在

 

連休前、いつものように朝礼前の朝の時間を一緒に過ごして

またお昼ね、と言って廊下で別れた

 

その日から、彼女は私のところに来なくなった

学校の至るところで顔を合わせても

睨み付けてきたり

気づかない振りをしたり

私は一瞬で空気のような存在になった

 

彼女とのやり取りを思い起こしても

まったく見当がつかないからどうしようもなく

ただ、フラットに立ち振る舞うことしか出来なかった

 

それしか道はないし、それで駄目ならそこまでだったということ

 

去るものは追わず、がスマートな生き方だけど

やっぱり心のどこかではずっと引っ掛かっていた

 

寮の舎監に入っても、会話はなく

いつものように部屋に来てくれることもなく

夜勤を終えた

 

ただ、私は挨拶だけは続けていた

たとえ一方通行でも

 

約3週間ぶりに

彼女が私のところにやってきた

 

icoさんごめんなさい

開口一番そう言う彼女に

何が、ごめんなさいなん?と聞いてみた

 

ある女の先輩に

icoさんは自分と仲良くしながらも

陰で私の悪口言いふらしてるって聞いて

 

最初はそんなはずないって思ったけど

不安になってきて

先輩の言ってることに洗脳されたみたいな感じになってしまった

 

と、打ち明けてくれた

 

そうなんね、全く身に覚えはないよ

 

うん、うちもそう思う

 

何で、今日それを言いに来てくれたん?

 

ある先輩に、最近icoさんのとこいってへんなって言われて

その事言ったら

アホちゃうか、そんなん信じてどないすんねん

最低の裏切りや

早くあやまらなアカンで

 

って言われて

自分の行動めちゃめちゃ反省した

 

ありがとう、

そうやって言いに来てくれたことが全て

もう、この話は終わりにしよう

 

これからもよろしく、

そう声をかけた

 

どんな時も、雑音がうるさい時も

なるべくフラットにいこう