ラ ム レ ー ズ ン

前 だ け 向 い て ろ 

見えないけれど見えるもの

臨時休校になって静かな2日間だった

キャンセルしたけれど連絡がうまく届いていなかったみたいで

パンがごっそり届いてしまった

ケースが雪をかぶっていた

一生懸命届けてくれた

 

寮にいる生徒たちに

買いに来てもらうようにお知らせしてもらった

 

お昼前に購買に降りると

寒い廊下のベンチで

もう数人が待ってくれていた

 

icoちゃんが困ってるって聞いたから

寒いけど来たで、と言ってくれる

ありがとう、入り入り、と

中に入れてパンを買ってもらう

 

みんながひととおり去ったあと

寒いから、12時までここにおってええ?

1人の男の子が言う

いいよ、暖まっていき、と言って私のブランケットを渡した

 

雑談をしていると、ふいに

なあicoちゃん、今好きなひとおるやろ

と言われた

 

うん、おるよ

 

やっぱりな、隠さんところがさすがや、

 

なんでそう思ったん?と聞いた

 

最近、キラキラつやつやしてるから

 

笑ってしまった

そんな、キラキラなお化粧なんかしとらんよ、

ちゃうねん、化粧やなくて

icoちゃんが何かキラキラしてんねん

 

え!ほんと?自覚ないわ

 

付き合ったん?

片想いよ、私の

 

相手の人、気持ち知っとるん?

知らんよ、言ってないけんね

 

icoちゃんのこと絶対見つけてくれるで、

と言ってくれた

 

なんだかその言葉が染み込んで

じーんとした

 

ありがとう、いつか見つけてくれたらいいな

何て返したらいいか分からず

その言葉を借りて繰り返した

 

ちゃんと自信持ってな!

ほな、飯行くわ!

手を振って出ていった

彼女と仲良くね!と言って見送った

 

17歳、大人顔負けだよ