ラ ム レ ー ズ ン

前 だ け 向 い て ろ 

怒られた話

ひさしぶりの心療内科に行った

もう、ふた月以上は確実に薬を飲んでいなくて

この前の診察日には旅をしていた

 

私に出されている薬は4種類で

そのどれもが引き出しに仕舞われている

ごめんなさい、色々とバタバタしていて

と謝ってとりあえず診察日を確保したというのが

正しい心理で、もう、今の私には薬を飲む気持ちがどこにもない

 

予約していた8時45分の5分ほど前に駐車場に着いて

好きではないマスクを着けた

 

診察室に入ると

先生が怒っているのが表情を見てすぐにわかった

画面に何かを打ち込み続けていた

 

どうしてましたか、と言われて

ごめんなさい色々とバタバタしていて

と繰り返した

新しい仕事は始まりましたか、と次に聞かれて

はい、暖かく迎えてくださってありがたいです

まだ、1週間しか経っていませんが頑張っています

気持ちの面ではとても安定しています

 

その言葉には、そうですかそれはよかった、とも言われず

この時期に勝手に診察を辞める患者さんが多いんだけど

悪くなる人がすごく多いから

絶対に自己判断でやめないで、

何がそんなにたいへんだったの、と

語気を荒らげて言われた

 

例えば、、と探して

弁護士さんに相談をしていたので

その関連で退職後も学校に行ったり

関係機関でお話したりしていたので、と続けた

 

実際のところ、あ、これ言わない方がよかったかもと

言葉が滑り出した瞬間に思った

 

そんなに大変だったなら益々やめないで、

次は半月後と言いたいところだけど

年末年始があるから

3週間後の土曜に予約を入れておきます、と

目を合わさずに淡々と言われて

居たたまれなくなった私は

ごめんなさい、と告げて診察室を出た

 

ああ、疲れた

会計をして、併設の調剤薬局

飲まない薬に1,080円を払って

その足でコンビニに行って温かい微糖のコーヒーを飲んで

母に顛末を面白おかしく電話した

先生の気持ちはわかる

私は私で、トンネルを抜けた実感がある

手帳に、次の診察日を書いた

 

約束していた生徒に会いに急いで車を走らせた